本題に入ろう。
SU-METALの歌は心に突き刺さる。
こう評価する人たちが沢山いますよね。ホントその通りだと思います。SU-METALの歌い方は時に一本調子と称されることもあるし、歌唱「技術」に焦点を当てればもっと上手い人は沢山いるのも事実だと思う。だけど人を感情を揺さぶるのは技術だけじゃダメだ、ということをSU-METALの特にライブでの歌声を聴いてしまうと、問答無用で納得させられる。感情の乗せ方、観客への伝え方が抜群に上手い!
これはね、1フレーズ、1フレーズを大切にしてるからなんだよ。1フレーズ毎の、もっと言えば1音毎の意味をしっかりと噛みしめてるからだね。ホント素晴らしいですよ。
こういう観点を昨今の技巧派ギタリストに持ってほしい。
というのがオイラが言いたいことです。
ここ50年ほどでギターの演奏技術は急速に進んだけれども、それでどうなったか?といえば、技術の均質化なんだよね。上手いけど個性が乏しい。心揺さぶるものを感じさせない。若い人の速弾き技術は大したもんだと思うけど、極端に言うとそれだけになりがち。
で、昨今の技巧派に何が足りないのか?と言うと、ズバリ1音1音を大切に噛みしめて、それを聴く人に向かって伝える技だね。技術的な事に夢中で人に伝えることを疎かにしてるんだよ。速弾きになればなるほど、1音毎の意味をすっ飛ばしてしまいがちになり、感情を乗せづらくなる。アタリマエっちゃアタリマエだね。
この点についてはクラシック音楽奏者の方々は、技巧派メタルギタリストの遥か先を行ってる。一定水準の演奏技術を持つのは当たり前。その前提の上でどう感情を乗せて観客を魅了するか。そこを探求し続けてるわけだよ。しかもポピュラーミュージックのように、見た目やライティング、ギミックに頼ることもできない。そういう難しい条件の中で感動する演奏をするわけで、考えてみたらこれは本当に凄い事ですよ。
メタル系ギタリストに視点を戻すと、感情表現とか意味のある音の使い方が上手い筆頭株は、故ランディ・ローズや若き日のマイケル・シェンカーだと思う。
ランディ・ローズのプレイ、例えばミスター・クロウリーのソロ(ライブ版)を聴くと、メロディの組み立ても素晴らしいし、感情が飛んでくる。若き日のマイケル・シェンカーも同様だね。特にUFOのライブに収録されている、Love to Love、Rock Bottom、Lights Outのギターソロを聴くと、当時二十歳そこそこのガキがこんな音を奏でていたなんて、天才にもほどがあるだろ!と思う。こういう鬼気迫る演奏を聴いてしまうと、本当の上手さとは何か?を考えさせられますよ。技術を圧倒する感動を呼び起こす演奏ができるって凄いことです。
というわけで、若いギタリスト氏が間違ってこのブログを見つけて、この記事を読んだなら今一度言っておきます。ピロピロだけじゃだめです。心にガツンと来るプレイを目指して頑張ってください。
ではでは。
真夜中に変なエントリーでした。
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