MOAMETALらダンスメンバーほどではないにしろ、あれだけ動きながらほとんど声がブレない。不快なブレス(息継ぎ)も聴こえない。音程もほとんどズレない。よれることなく真っ直ぐ伸びてゆく力強いロングトーン。
それを1時間超のステージの最後まで続けるんだよな。
これは本当に凄いことだ!
40分程度のステージなら涼しい顔してる余裕だもんな。歌だけじゃなく体力面も怪物、というよりもはや立派なアスリートと言っても過言ではない。
▼一方有名アイドルさんはこんなもんですよ・・・これで金取るってどうなんだろうね?
知らない人はこの歌声を一本調子に感じるかもしれない。だがそれはエフェクトや反射音、バンドの音など、他の要素が全くカットされているからなのだ。カラオケでエコー切ると味気なくなるしょ?あれと同じ。ドライ音はこんなもんだ。
でも歌声、バンドサウンドを適切に組合せて加工調整すると、普段我々が聴く音楽になる。そしてBABYMETALの場合、SU-METALの歌声とバンドサウンドが完璧に調和して、凄まじく魅力的な音楽として完成するわけだ。特にライブでね。
スタジオでのレコーディングは楽だろうね。時間をかけずに録れるはずだ。余った時間はクオリティアップ(追加の録り等)に使える。その後の調整にしても修正は少ないだろう。モノによっては無修正で一発OKレベルかもしれない。
ちなみにスタジオ版は完全にオーバープロデュースだと思う。素材に余計な加工をしすぎてダメ。SU-METALの「凄い歌声」という素材を活かしきれてない。北海道の食べ物のように素材で勝負せい!と思う。
まだ声の線が細かった頃ならともかく、もうそろそろハーモナイザーによるデジタルハモりとか止めてはどうかな。人工的すぎてキモいんだよあれ。ハモリメロディライン自体、人間が歌うのを想定してないから不自然だし。MOAMETALにハモり部分を歌ってもらうとか、違う切り口の工夫にチャレンジしてほしいな。
きっとサウンドエンジニア氏も色々悩んでいるんだろうと想像する。スタジオにおける「凄い歌声」の活かし方を掴み切れてないのではないだろうか。吸音材貼りまくりで音がまったく反響しないスタジオのデッドな環境も一因かもしれんね。
あの声は反響音を味方につける特異なものなのだろう。良い響き方をするクラシックやオペラホールでこそ初めて活かせるのかもしれない。そう考えると、生のライブこそが至高というのも当然だろうなと思う。
更に脱線する。ブレスがほとんど聴こえないのは、声量がデカいのがポイントかもしれない。入力(声量)が大きいということはPA卓ではGAINを絞れる。であれば歌声に比べて絶対的な音量が小さいブレス音は、必然的にほとんどカットされ聴き取れなくなるだろう。SU-METALのブレスが綺麗とか聴こえないというのは、これが理由なのかなと思う。
爆音の中で声が埋もれないというのも同様で、GAINを絞れるからこそ余計な音(演奏の爆音)があまりカブらず、純粋な歌声だけを残せるからだと思う。声の質だけじゃないね。
話を戻す。
それにしてもこれだけしっかり正確に、バカデカい声で歌えるってのは本当に凄い才能だ。しかもSU-METALの歌は決して人真似にならない。よくある歌ウマカラオケにならない。人様の曲であってもだ。自分のオリジナルにする。曲によってはオリジナル以上にさえなる。感動的なほどに。これはASH時代からキッチリ基礎をやってきたからだろう。
カラオケが上手いからってオリジナル楽曲を上手く歌えるか?っていうと、全然そうはならない。レコーディングマイクを前にして何もできない自分に気づくパターンはよくある事だ。音符通り歌うのすらままならない事もある。それくらい自分らしく歌うのって難しいのだ。
だからこそ姿見も凄いSU-METALのような素材を、周囲が放っておかないのも当然だろう。そしてこの歌声を、KOBAMETALがメタルと組み合わせた、というのは本当に奇跡的なケミストリーだと思う。よくこんな宝物を手に入れたもんだ。
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